新宿ゴッドハンド日記

20歳で女王様にスカウトされ、導いた男は述べ15000人以上。21歳年下の男子から猛烈アタックを受けるなど、美しさを保つためのケアにも定評あり。 パートナーはスウェーデン人。日本人を絶滅させないために、少子化や草食化を食い止めるために日々情報発信中。

一夜にして20歳で成功し、年収30億円になり、28歳で急死した青年に思う

もしあなたが20歳の頃、一夜にして成功し、

世界中を廻る地獄のようなスケジュールをこなし、

年収30億円になったものの、

「成功するために成功を求める人生」に

幸せを感じられなくなり、健康も阻害され、

表舞台から引退し、28歳で急死したとする。

 

それは、短くも幸せな人生と言えただろうか…。

 

 

私は、20代〜30代と

好き勝手に生きてきたけれども、

40代に差しかかった時、「死に方」について

考えるようになった。

 

皆、夢のような人生を生きたい。

成功したい。

名声を得たい。

 

しかし、時に大きな名声と金は、

個人の人生を押しつぶす。

 

 

世界的なDJとして、大成功を収めた

スウェーデン出身のDJ、

Avicii(アヴィーチー)ことティム・バーグリング。

 

彼は生前、DJという仕事にどっぷり

浸かっていると、間違いなく

不安と鬱と不眠に悩まされると

語っている。

 

また、自分はそうじゃないと強がるから、

これほどたくさんのツアー・ミュージシャンが

アルコール依存症や薬物中毒に陥って、

やがては死んで行くとも語っている。

 

以下、ロッキングオンの記事によるものだが、

 

カリフォルニア大学統計学部が行った

ミュージシャンの死亡時年齢などの調査によれば、

音楽の14ジャンルのうち、

ロックを抜いてエレクトロニックや

ダンス・ミュージックのアーティストの死亡率は

5位となっていて、これはDJの場合には

身一つで移動できるため、ツアー・スケジュールが

際限なく組まれてしまうことも関係しているという。

 

2007年以来、毎年200回以上のライブをこなしている

スティーヴ・アオキは次のように説明する。

「通常、バンドとかはアルバムのリリースを中心に

ツアーのサイクルができてるけど、

DJのツアーっていうのはもう果てがないから。

最近じゃライヴの荷物だってヘッドホンと

SDカードくらいのもんだしね。

ものすごくモバイルな状況だから、どんどん

公演地と公演地の間の距離を遠くしていくのも

可能になってくるんだよ」

 

あるいはアバヴ・アンド・ビヨンドのトニー・マッギネスは

次のように説明する。

「出番はほぼ間違いなく真夜中すぎだから」

不眠にも陥ることになると説明している。

 

フロストラダムスのカート・カメルーチは次のように語る。

「DJのライブっていうのは終わると朝の3時、

あるいはもっと遅いからね。

それからホテルに戻って朝8時の便までに

仮眠でも取ろうと思うんだけど、

ライブで興奮しまくってるからなかなか気分が

醒めてこないもんなんだよ」

 

それでなくてもDJの場合、バンド・メンバーなどもなく、

マネージャーを抜かせば常に単独で

行動していることになり、

強烈な孤独感や疎外感に苛まれることになりやすいと

イスラエル出身のダブステッブ・プロデューサーの

アゴアは説明するが、

睡眠障害はこうした精神状態を

さらに蝕むことになると

トニー・マッギネスは語る。

 

「ホテルの部屋で横になって寝ようとしてるのに

いっこうに寝れないのはこの仕事のせいなんだって

わかった時ほど自分が病んでいるのが

はっきりしてくることはないんだ。

頭の中のものすごい闇が相当長い間居座り続けるんだよ」

またライブでの興奮状態とそれに続く

気分の激しい落ち込みとの折り合いをつけるのも

難しいとカート・カメルーチは語る。

 

「人間らしい気分に戻るにはたいてい2、3日は

かかるもんなんだ。

でも、ライブから4日後にはたいがいもう

次の公演に向かってるもんだからね」

 

こうした弊害を乗り越えるために

スティーヴ・アオキは瞑想を実践しているというし、

カート・カメルーチやモービーはヨガなどを

行っているという。

また、スティーヴ・アオキは次のようにも説明する。

 

「それでなくてもツアーにはたくさん誘惑があって、

結局まともになにもできなくなるのはこうした誘惑の

せいなんだよ。

そこでメンタルのバランスがやられちゃうんだね」

 

 

華やかに見える、DJの世界も

最終的にはメンタルをやられてしまう。

 

孤独感や、職業病とも言える

睡眠障害と誘惑を乗り越えるには、

自分自身の人間性と精神力を

いかに保つか。

 

これは、私たちにも通じないだろうか?

 

 

自分を守る、助けるのは自分だけ。

誰も助けてはくれないのだ。

 

  

しかし、私が一番気になったのは、

彼の「Avicii」というDJネーム。

 

これは、仏教用語で「無限地獄」を意味する

「阿鼻旨(あびし)」から得たものであるということ。

 

この名前が、彼の将来を暗示していたような

感じがしてならない。

 

28年という短かすぎる人生を

駆け抜けた彼。

 

大きな名声を得ても、

「アーティストとしての人生が大きくなりすぎて、

人間としての人生がほんの少しになってしまった」


「どう生きるかを考える必要にかられた。

成功するために成功を求めているって感じだったから、

もう幸せを感じられなくなっていた」

と言っていた彼。

 

どうか、安らかに眠ってほしい。

 

 

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